海の恵みを食卓へ美味しさづくりに想いを込めて
海の恵みを食卓へ、美味しさづくりに想いを込めて
気仙沼と働く vol.7 スーパーマーケットでの買い物
4月末〜5月上旬は、桜前線が北上していくころ。関東の桜が散ったあと、東北に出向くとちょうど桜の頃で、季節を遡るかのような不思議な心地になったことを思い出します。

今回で本コラムも7回目となりました。少し趣を変えて、私たちの日頃の食生活を支えている、スーパーマーケットについて。

普段の食料をみなさんはどこで調達されていますか。スーパーマーケットや個人経営の小売店、コンビニのほか、通販や宅配サービスを利用される方も増えたことと思います。

スーパーマーケットは、生鮮三品から牛乳など消費期限の短い日配品、各種加工品、食べ物以外の日用品などが一堂に揃う、スーパーなマーケット。1か所でほとんどの買い物が済んでしまうスーパーは、やはり便利なお店です。そんなスーパーについて、消費者とメーカーの両方の立場を想像して綴ってみたいと思います。
気仙沼と働く vol.7 スーパーマーケットでの買い物

消費者として

日頃の買い物といえば、生活圏内にあるいくつかのスーパーマーケットの中から好みの店を見つけて、気に入ったらその店をリピートしますよね。

日常的にスーパーに行く方にとっては、誕生日や来客があるなどの特別な日を除けば、大体買うものが決まっているでしょう。さまざまな予定の合間に買い物に行くことが多く、あれこれ悩むにも時間は限られているため、パパッと選ぶ。反射的に商品をカゴに入れていることがありますよね。ですから買おうと意図しているもの以外の商品は案外、目に入ってきません。

逆に、日常でスーパーの利用が少ない方にとっては、どの商品も目新しく見えるものです。ピンときたものに手が伸びやすく、案外じっくりと商品を見て検討するのではないでしょうか。

メーカーとして

さて、メーカー側の視点に切り替えてみましょう。
メーカーが素材を選び製品を作る、安全に品を運び、製品が売り場に並ぶ…その一連のプロセスにどのくらいの時間がかかっているか、消費者の皆さまにとってなかなか想像がつきにくいのではないでしょうか。 たとえば、塩辛を作るとしたら、原料となるイカの買い付けに始まり、原料の保存管理、製品の味や製造工程の設計、パッケージデザインなど様々な要素を加味しながら販売までの道筋を立てていきます。その後、厳格な製造体制、いくつもの検査を経てようやく一つの製品が世の中に出ていきます。このように店先に並ぶ一つの商品を作るのにも膨大な時間と労力が実はかかっているのです。
だからこそ、メーカーは自分達が胸を張って売りたいと思えるものを売り場に提案していることが多いです。商品にメッセージを込め、熱量をもってPRする。すなわち、メーカーは売り場を通してお客様にプロポーズしているのです。一方で消費者の皆さまはというと案外クール。買い物は、忙しい日常の中のあくまでワンシーンです。その中でもし、消費者に商品を手に取っていただけたのならば、それはまさにメーカーと消費者の間で生まれた「一期一会」と言えるでしょう。
気仙沼と働く vol.7 スーパーマーケットでの買い物

二者の間にあるもの

私は以前、都内の新しいスーパーマーケットにふと入った時、店内に並ぶ全国のたくさんの商品に四方八方から「買って買って!」と言われているように感じたことがあります。店内がお客様への熾烈なPR合戦の場です。消費者としては、受け取れる量の情報であればまだしもですが、押し寄せる情報の波に飲み込まれてしまいそうになると、情報センサーを閉じてしまいます。自分が欲しいものだけに感性が働くようにしないと、買い物に疲れてしまうのですよね。

生産者と消費者との間には、心理的な熱量の差があります。両者をつなぐのがスーパーマーケットのような売り場ですが、もし売り場のスタンスがどちらかに偏ることなく、 生産者のサービスと消費者のニーズを仕分け、丁寧にマッチングしていくことができれば、三方よしな関係になるでしょう。

必要なのは想像力と思いやり

作り手にとって、全方位に向けて商品の魅力を発するのはとても大変ですから、好意的に受け取ってくれそうなお客様を想定して、適切なボリュームの情報を届けることが重要とされます。 情報過多の今の社会の中で、どのような見せ方・伝え方がお客様にとって心地よいのか。

消費者にとって、一見、伝わってこない商品の裏側や背景に想像を巡らしてみることもと大切な行為です。いつも便利に買っている商品は、どこでどのように作られているのか、なぜこの価格なのか。逆に、いつも手に取らない商品に目をやると、商品ごとに違う価値観が見えてくることもあります。

作り手にとっても、消費者にとっても、必要なのは相手への想像力。それは思いやりなのではないでしょうか。相手に何が起きているのか想像してからアプローチすると、日頃の買い物は生活のワンシーンの枠を超えて、一層能動的な行動となり、自分の価値観や生活に合ったものを取り入れることになるでしょう。
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