海の恵みを食卓へ美味しさづくりに想いを込めて
海の恵みを食卓へ、美味しさづくりに想いを込めて
気仙沼と働く vol.9  人にも地球にもやさしい魚食
こんにちは。梅雨とは思えぬ猛暑日が続くこの頃。徳島県は、史上最短の15日で梅雨明けしたそうです。夏本番を控えて、体を整えていきたいもの。今回は、「魚食」について綴っていきます。

みなさまは普段、どのくらい魚を召し上がりますか。朝昼晩の食事を思い起こすと、お肉のおかずが食卓に上ることの方が多いかもしれませんね。魚は骨がある、肉より調理に手間がかかる、肉より高い、肉料理の方がボリュームが出るなど、魚を選ばない理由があちこちから聞こえてきます。

日々の食事

最近、私の日常の食事について見直す機会がありました。「日常の食事」には、案外ストレスを抱えていた私。食業柄、気になった食材や食品は積極的に取り入れているのですが、使いきれず余ってしまうこともありました。また、仕事を優先して食事の時間が取れなかったり、市販の惣菜や外食で済またり。時間はあるのに食事の内容にこだわりすぎて疲れることも多々ありました。あれこれおかずを作らねばならないという、”強迫観念”に囚われているのは、私だけではないだろうと思います。

そんな自分の食生活は良い時と悪い時の偏差がとても大きいものでした。なんとか平均的に良い食事にしたい。そこで、友人の管理栄養士に相談することにしました。彼女が薦めるのは「一汁一菜」。聞き慣れた言葉ではあるものの、おかずが一品しかないのは寂しいし、自分の生活に取り入れるかというとそうではないと思っていたのが本音です。
気仙沼と働く vol.9  人にも地球にもやさしい魚食

一汁一菜の生活

日本は四方を海に囲まれた土地で、海の恵みとともに暮らしてきました。食事が欧米化する以前は、一汁一菜が一般的でした。お米、お味噌汁、おかずにはお刺身や、煮付けや焼き魚といった魚のお惣菜がついた内容は、どこの家庭でも見掛けられたもの。

質素で慎ましやかな和食の型とも言えるこの食事スタイルを、栄養士の薦めもあって、私は1ヶ月間取り入れることにしました。今まではご飯は少なめ、おかずをたくさんいただくことが多かったのですが、推奨されたのは、ご飯を200g、具沢山のお味噌汁と、おかずは主菜が一品でご飯の半量くらいのボリュームというバランス。
これにご飯が進むための味の濃い漬物や、箸休めとなるさっぱりした副菜を少々添えるのはOKです。

最初はご飯の多さに抵抗がありましたが、ご飯をしっかりいただくことで、不思議と間食がなくなったのです。お味噌汁もおかずかと思うほど具沢山にすることで、食事の内容に不足を感じることはなく、むしろとても満足感を得られるようになりました。お米の割合を増やした食事バランスによって、焼き魚の脂の味わいが、とても贅沢に感じられるようになりました。

おかずをあれこれ考えなくて良いため食事を考えるストレスが減り、あれこれ食べすぎないため味覚も整ってきたようで、いいことづくしです。とても快適な食事スタイルであることに気づいて、今では自分の食生活の基本にしています。
気仙沼と働く vol.9  人にも地球にもやさしい魚食

地域の食事は魚食が支えているかもしれない

私の祖母は、静岡県下田市で鮮魚店を営んでいました。伊豆半島南部で楽しめる魚といえば、キンメダイ、アジ類、サザエ、伊勢海老。ほとんどの家庭で日常的にキンメの煮付けを作ります。
干物の文化も色濃く、潮風の通る港を歩いていると、どこかしらから干物の匂いがしてきたものです。マアジの干物がスタンダードですが、現地では「ムロアジ」や「エボダイ」の干物が人気。ムロアジは独特の風味があるため、子どもの頃の私にはちょっと苦手でしたね。

幼い頃は、家族と帰省するたびに祖母が魚尽くしの料理でもてなしてくれました。親戚がたくさん集まる日には、祖母が地元産の魚を使って、手作りの握り寿司を100も200も握ってくれたり。そういえば、お味噌汁の味が東京の自宅の味とはなんだか違いました。自宅では鰹節をよく使っていましたが、祖母は出汁に魚のアラや貝、鰹節だけでなくアジやムロアジのフシを使っていたのです。地元の魚を余すことなく使っていたのですね。

話が少しそれますが、伊豆半島の西側で、フジツボやカメノテが入っているお味噌汁をいただいたことがあります。とても驚きましたが、味わい深く忘れられないお味噌汁の一つです。
気仙沼と働く vol.9  人にも地球にもやさしい魚食
私の各地での食の思い出は、肉料理ではなく、魚食に彩られています。気仙沼で初めて食べたメカジキや秋刀魚の刺身。それまで硬い出汁昆布しか知らなかった私を驚かせた、三陸の昆布の柔らかさ。

徳島の太刀魚は、東京ではあり得ないリーズナブルな価格だし、ブリやハマチはとても安い。ブリの照り焼きを作る頻度はグッと増えました。ツケダレにつけてオーブンで焼くだけなので、まな板が汚れないしお肉料理を作るより手軽なのです。

地域の食文化をそのままに映し出す「一汁一菜」のスタイルは、案外簡単に実践できるヘルシーな食事です。そして、本来手間もコストもかけずに美味しくいただけるのが「魚食」。気候の変化とともに地域で取れる魚種は変化しつつありますが、この機会に地場の新鮮な魚に目を向けてみませんか。
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