海の恵みを食卓へ美味しさづくりに想いを込めて
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こばやしとほんだのゆるっと座談会  vol.3 テーマ「レシピ裏話」(その1)
こばやしとほんだのゆるっと座談会  vol.3 テーマ「レシピ裏話」(その1)

●はじめに

当コラムは、YUKI FOOD DESIGN STUDIO 小林幸氏と、八葉水産社員の本田が「食」についてのよもや話を座談会形式で話し合ってみたものです。中心となるテーマを基に美味しい食べ物や食の考え方、八葉水産の裏話や食に関する経験などをざっくりと話してみました。

第三回目となる今回のテーマは、「レシピ裏話」です。ホームページに掲載中のレシピについてのこだわりなど、小林氏と当社・清水、本田の対談をお送りします。今回は4部構成になっております。本記事はその1です。

※次回更新予定日:4月9日(日)

こばやしとほんだのゆるっと座談会  vol.3 テーマ「レシピ裏話」(その1)
▶YUKI FOOD DESIGN STUDIO 小林幸氏。
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▶八葉水産社員の本田。画像は経営企画室メンバー作。
こばやしとほんだのゆるっと座談会  vol.3 テーマ「レシピ裏話」(その1)
▶八葉水産社員の清水部長。経営企画室部長で本田の上司。画像は経営企画室メンバー作。

●どうやってレシピを考えるのか

本田:今回経営企画室の清水部長にもご参加いただきます。一言自己紹介をお願いします。

清水:八葉水産の清水です。よろしくお願いします。

小林:お願いします。

本田:早速ですけれど、今回のコラムが「レシピ裏話」で。そもそもレシピってどうやって考えているの?っていう部分について、私も小林さんとの打ち合わせに参加する前は思っていたので、結構気になっている方いらっしゃるんじゃないかなと思います。

清水:小林さん、今八葉水産でお願いしているレシピ改めて数えてみると何品くらいあるんですかね。一、二、三、四、五、六、七、八…。

小林:去年は確か一か月2品くらいのペースで作っていたんですよね。だから30品あるかな?

 
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▲八葉水産のレシピページ
清水:ははははは(笑)、すごい。

小林:季節ごと考案となると、増やせますよ、案外。

本田:やっぱりあれですか、旬の食材に合わせてレシピを作るとかそういうのが多かった感じですか?

小林:そうですね。季節×商品特性っていう掛け算で八葉水産は取り組ませていただいていて。なので季節ネタはミーティングでいつも相談しているじゃないですか。例えばハロウィンっぽくみたいな。正月明けの胃に優しいもので、とか。

清水・本田:(笑)

小林:そういうご要望×(かける)例えば「うすあさめかぶ」みたいに万能で、和洋中の料理にアレンジしやすいものがあれば、前回の子持めかぶみたいにほぼほぼ味は決まっていて、和風の方が味に無理がないなら「じゃあ和風で行こう」とか「スープで行こう」とかそういう風にアイディアをいくつか出して作りやすそうなものを考えているって感じですね。

本田:なるほど…。打ち合わせの時にこの商品でお願いしますっていう風にお願いすることあるんですけど、この商品って言われたらこの味付けってすぐに思い浮かぶ感じなんでしょうか?

小林:あ、いえいえそれはスムーズにいくときもあるし、ちょっと難しいなってときもあります。特に塩辛は加熱すると、イカが縮むじゃないですか。味は美味しいけど塩辛らしさっていうのは見た目でも塩辛を伝えるかはちょっと考えますね。

本田:なるほど。これは全力で見た目に振った、みたいなレシピはありますか?今まで作っていただいた中で。

小林:えっと、最初のハロウィントーストは塩辛をピザトーストに乗せているんですけれど、あれは明らかに見た目でお化けが舌を出している感じに塩辛を乗せているので、なんだろ、見た目で行きましたねあれは。

本田:あ~。ハロウィントーストとかあとパエリア風塩辛ピラフとかも見たんですけれどあの辺もだいぶ見た目がきれいで、今でいうインスタ映えしそうな感じの華やかなイメージ結構ありますね。


 
こばやしとほんだのゆるっと座談会  vol.3 テーマ「レシピ裏話」(その1)
▲過去掲載の アンチョビ風!塩辛deハロウィンピザトースト

●マイナス要素をプラスに変えるレシピ

小林:逆に、この前作った「めかぶの炊き込みご飯」。あれはいろんな具と炊き込むと行方不明になるんですよね、めかぶが。

本田:はい。

小林:なるべくめかぶが伝わるように、追いめかぶしたりとか、商品の魅力が増して見えるような工夫はちょこちょこやっていますね。
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▲めかぶの炊き込みご飯
清水:本田さんは、何か作ったことあります?今までのレシピから。

本田:あ、ピザトーストですかね。三陸ワインツーリズムで、それのアレンジ版みたいなやつを、はい。

清水:それはどうですか?

本田:おいしかったです。もっと塩辛の味がしているのかなと思ってたんですけど、良い感じに塩辛の腑の感じが緩和されていて食べやすかったです。

小林:なんかね、乳製品とかチーズとかと合わせると、塩辛の臭みが和らぎますよね。塩辛苦手な人でも食べやすいというか。

清水:その辺も狙ったんですか?小林さんは。

小林:それはね、案外私が気仙沼にいた時とかに叩き込まれたというか(笑)。

清水:叩き込まれた!?

小林:叩き込まれたっていうと言い過ぎですけど、色々試作させていただいたんですよ。
その中で塩辛や魚介をチーズや乳製品と合わせたことは何度かあって、上手くいった記憶があるんですね。なのでそれもちょっと活かしています。
 
こばやしとほんだのゆるっと座談会  vol.3 テーマ「レシピ裏話」(その1)
▲簡単チーズピザ。ワインツーリズムでアレンジレシピを提供しました。
清水:なんて言うんでしょうね、これ私もワインツーリズムで食べさせていただいたんですけれども、イカの旨味とチーズの旨味がちゃんと出てきますよね。それぞれ活かされますよね。

小林:今の話だといいものといいものを組み合わせるっていう話だったんですけれども、逆の発想もあって。マイナス×マイナスはプラスになるじゃないですか。

清水:そうですね、あの四則演算ではそうなりますけれど…。食べものでもそうなるんですか?

小林:そうなんですよ。それはね教わったんですよ。私が気仙沼でお仕事させてもらっているときにマーケティングの先生に試作品を講評いただいたのですが、匂いが強い素材同士をマイナスの要素ととらえて、掛け合わせるとプラスに転じる、という内容でした。

本田:へえー…。

清水:あー。マイナスとマイナスか、単品だと強烈すぎてう~んっていうもの掛け合わせると…。フードペアリングみたいな話ですよね。

小林:ペアリングでもあるし、一方でお互いを打ち消し合うというか。特に乳製品って他の素材のマイナス要素をうまくマスキングするっていう言い方をされていました。

清水:確かにそうですよ。臭みだとかえぐみをマスキングするってよく食品でいえば結構使いますね。

小林:マヨネーズとかも近いものがありますよね。油脂分の特性かな。

清水:その脂分の旨味でガツンと来る場合もありますし、油脂で、えぐみを包むじゃないですけれど。

小林:そういうのが起きている感じがしますね。

本田:なるほど。

清水:この小さな1枚のピザの中にそういう掛け算があったんですね。



その2に続きます。その2はこちらからご覧いただけます。
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